「決算書というのは客観的な事実を表す」

損益計算書は、今年の成績表であり、
貸借対照表は、今までの歩き方を示す。

税理士という仕事をはじめて、
決算書の持つ重さと、強さをずっと感じていました。

僕自身、決算書という数字の集合体が、
万能であると信じていた訳です。

ただ、今となっては、
万能性を信じていた数字の限界を痛感します。

決算書の最大の弱点。

それは、「人」が表現できないこと。

決算書では、
「人」は「給与」という勘定科目でのみ表され、
あたかもコストのように扱われています。

社長の人間性や先進性、
抜群のマーケティングセンスや、
笑顔が素敵なところ・・・
従業員さんの団結力や会社への思い、
成長への意欲や優しさ・・・

企業という組織において、
最も大切な財産であるこれらの「人」が資産と表現されない。

そして、
税理士を含めた企業経営のかかわる多くの人が、
それを当たり前のように思い込み、感じている。

僕は、
税理士という肩書きと、
人財コンサルタントという肩書きを使います。

それは、この思い込みへの自戒の意味。

「人」をコストではなく「資産」と考える経営方針。
「人」は「材」でなく、「財」であると考える経営方針。
僕にとっての、
小川会計事務所にとっての、
揺るぐことのない視座の一つです。